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任意保険に入ってない車にぶつけられたら?
事故の相手が無保険の場合の対応と備えについて解説

公開日:2026年8月27日

任意保険に入ってない車にぶつけられたら?事故の相手が無保険の場合の対応と備えについて解説

「任意保険未加入の車にぶつけられたらどうしよう」という不安を抱えるドライバーの方もいるのではないでしょうか。賠償金は受け取れるのか、自分で備える方法はないのかなど、任意保険に入っていない車との事故における疑問について解説します。

任意保険に入っていない車とは?

任意保険に未加入の車とは、法律で加入が義務付けられている自賠責保険のみに加入していて、任意保険には加入していない車を指します。このような車を「無保険車」と呼ぶ場合もあります。

自賠責保険と任意保険の違いとは?

法律で加入が義務付けられる「自賠責保険」と、任意で加入する「任意保険」についてそれぞれの特徴をご紹介します。

強制加入の「自賠責保険」

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、自動車損害賠償保障法にもとづき、すべての車の所有者に加入が義務付けられている保険です。そのため、「強制保険」とも呼ばれています。

自賠責保険は事故の被害者救済を目的としているため、加害者のケガや車への損害などに対する補償はありません。支払限度額については以下のとおりです。

損害の種類 支払限度額(被害者1人につき)
傷害(ケガ)による損害 120万円
後遺障害による損害 ①神経系統の機能や精神・胸腹部臓器への著しい障害で、介護を要する障害
  常時介護を要する場合(第1級) 4,000万円
  随時介護を要する場合(第2級) 3,000万円

②①以外
  第1級 3,000万円 〜 第14級 75万円
死亡による損害 3,000万円

参考:限度額と補償内容|国土交通省

自賠責保険に未加入での走行は法律で禁止されており、未加入で走行した場合には、50万円以下の罰金または1年以上の懲役、さらに違反点数6点が付され、免許停止処分となります。さらに、自賠責保険の証明書不所持でも罰金30万円が課せられます。また、自賠責保険に加入していないと車検を受けることができません。

任意加入の「任意保険」

任意保険は、自賠責保険ではカバーしきれない損害を補うための自動車保険です。対人賠償以外に対物賠償、ご自身のケガや車などの損害に対しても補償します。 自賠責保険のように加入が義務付けられてはおらず、任意で加入します。

相手方への補償 ご自身への補償 その他
ケガ・死亡 ケガ・死亡 車・モノ 車・モノ ケガ・死亡 ケガ・死亡 車・モノ 車・モノ 保険会社の
示談交渉 保険会社の示談交渉
自賠責保険
(強制保険)
△ × × × ×
自動車保険
(任意保険)
◯ ◯ ◯ ◯ ◯
  • ◯
    :補償します
  • ×
    :補償しません
  • △
    :補償が不十分(支払限度額までしか補償されません)

事故の内容により、保険会社が相手方と直接交渉できない場合があります。

任意保険に入っていない車との事故で生じる被害者の負担

任意保険に入っていない車にぶつけられたなどの事故が起こった場合、被害者側はどのような負担を負う可能性があるのでしょうか。

相手に損害賠償金の支払い能力がない可能性がある

事故の相手が任意保険に加入していない場合、賠償されるのは相手の自賠責保険の補償範囲に限られます。自賠責保険はケガや死亡といった人身事故のみが対象で、補償額にも上限があります。十分な損害賠償金が出ないケースもあり、治療費を自己負担しないといけない可能性も高いといえるでしょう。
自賠責保険にも加入していない場合には、相手の保険から補償を受けることはできないため、事故相手に直接損害賠償請求する必要があります。

車の修理費用が自己負担になる

自賠責保険には、物損の補償がありません。そのため、事故によって自分の車が破損しても、相手が任意保険に入っておらず、支払い能力がない場合は、結果として自分で修理費用を負担することになり、大きな経済的負担につながる恐れがあります。

被害者自身が加害者と示談交渉をしなければならないケースがある

任意保険に加入していても、被害者の過失がゼロの場合、保険会社が被害者に代わって示談交渉を行うことは法律で禁止されています。
そのため、修理費や賠償金額については被害者と加害者が直接、示談交渉を行うケースがあります。交渉が長引いたり、トラブルに発展したりする可能性もあるため、場合によっては弁護士に示談交渉を依頼することを検討する必要があります。

任意保険に入っていない車にぶつけられた時の対応方法

任意保険に入っていない車と事故に遭ってしまった場合の対応について確認しておきましょう。

任意保険に入っていない車にぶつけられた時の対応方法

自賠責保険へ請求する

被害者が受傷した際、加害者が損害賠償に応じない場合は、加害者が加入している自賠責保険へ治療費や慰謝料などを請求する「被害者請求」という方法があります。
請求手続き時には保険金請求書のほか、事故状況報告書や医師の診断書、治療費の明細書など、さまざまな書類を準備しましょう。ただし、先述のとおり、自賠責保険の保険金には支払限度額があるため、上限額を超えた分については加害者へ直接請求する必要があります。

業務中・通勤中であれば、労災保険の利用ができないか確認する

加害者が加入している自賠責保険から十分な補償が受け取れない場合に、交通事故が業務中や通勤中に発生した事故であれば、労災保険を利用できる可能性があります。仕事中の事故は「業務災害」、通勤途中の事故は「通勤災害」として認められれば、労災保険から治療費や休業補償などの給付を受けられる場合があります。
まずは事故の状況を会社に報告し、労災保険が利用できるか確認してみましょう。

任意保険に入っていない車との事故でも役立つ補償とは?

車を運転していれば、交通事故に遭ってしまう可能性はゼロではありません。事故の相手が任意保険に加入していない可能性も考えて、任意保険で備えておくことをおすすめします。無保険車との事故に備えるために知っておきたい任意保険の補償についてご紹介します。

任意保険に入っていない車との事故でも役立つ補償とは?

無保険車傷害保険

無保険車傷害保険は、任意保険に加入していない車との事故で、運転者や同乗者が死亡したり後遺障害を負ったりした場合に保険金がお支払いされる補償です。相手に十分な賠償能力がない場合でも、被害者側の任意保険から補償を受けられます。

無保険車傷害保険

人身傷害補償特約(人身傷害保険)

人身傷害補償特約は、事故によって運転者や同乗者が損害を負った場合、治療費、休業損害、精神的損害、逸失利益などの実際の損害に対して、約款の損害額基準に従った保険金額を限度に保険金が支払われます。
過失があるかどうかに関わらず補償を受けられるため、示談交渉を待たずに保険金を受け取ることができます。そのため、事故後の治療や生活への負担を軽減するために役立ちます。

人身傷害補償特約(人身傷害保険)

搭乗者傷害保険

搭乗者傷害保険は、ご契約のお車に搭乗中の事故によって運転者や同乗者が死傷した場合、一時金として医療保険金が支払われる保険です。入院や通院をしたときには、入通院日数やケガの部位・症状に応じて、契約時に定めた一律の保険金が支払われるため、事故後スピーディーに経済的なサポートを受けられます。

搭乗者傷害保険

車両保険

車両保険は、事故によってご契約のお車に損害が生じた場合に、修理費用や買い替え費用などの補償を受けられる保険です。相手のいる事故だけでなく、単独事故や当て逃げなど、さまざまなケースで補償の対象となる場合があります。

一般的に、車両保険は補償範囲が広い「一般型」と補償範囲を制限した「限定型」(*)があります。それぞれのタイプで補償内容と保険料が異なるため、お車の利用状況や懸念されるリスク、保険料とのバランスを加味してご自身に合った方を選びましょう。

保険会社により名称・補償範囲は異なります。

車両保険

弁護士費用等補償特約(弁護士特約)

弁護士費用等補償特約は、交通事故などの偶然な事故による被害に遭い、相手に対して損害賠償請求を行う際に、弁護士へ依頼した場合の費用などを補償する特約です。

事故の相手が任意保険に入っていなかったり、被害者に過失がない被害事故の場合、被害者と加害者が直接示談交渉を行うケースがあります。相手との示談交渉を弁護士に依頼した際の報酬、仲裁や和解のために要した費用も補償の対象となります。相手との交渉が難しく、法的なサポートが必要な場合、費用面の負担を抑えられるため、専門家に任せやすくなるでしょう。

弁護士費用等補償特約(弁護士特約)

予期せぬ事故に備えるための任意保険

任意保険に加入していない車にぶつけられた場合、十分な補償を受けられず、大きな損害につながる恐れがあります。また、相手に支払い能力がなければ、修理費や治療費などを十分に回収できない可能性もあります。

このような万一のときに備えるためには、自身の自動車保険の補償内容をしっかり確認しておくことが大切です。必要な補償を備えておけば、予期せぬ事故に遭った場合でも、経済的・精神的な負担を軽減しやすくなります。

任意保険に入っていない車との事故に関するよくあるご質問

  • 無保険車と事故に遭った場合、加害者と直接交渉しないといけない?

    双方に過失が生じる事故の場合は自身が加入している保険会社が示談交渉可能となりますが、被害者側に過失がない事故の場合は、被害者側の保険会社は示談交渉を行えないため、当事者同士での交渉が必要となります。

  • 自分が任意保険に入っていない場合に事故を起こしたら?

    任意保険に加入していない状態で事故を起こすと、自賠責保険の補償を超える損害については、自分で賠償しなければなりません。事故の内容によっては高額な賠償責任を負う可能性もあります。

監修・執筆者 田尻 宏子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員一種

監修・執筆者 田尻 宏子

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、証券外務員一種

証券会社、生命保険会社、銀行など複数の金融機関での勤務経験後、2016年から主に生命保険、損害保険、株式投資、ローン、相続関連等の金融分野専門のライターとして活動中。お金の初心者から上級者まで誰もが納得できる記事を書くのが得意。

運営・監修 「アクサ損害保険の自動車保険お役立ち情報」編集部

運営・監修 「アクサ損害保険の自動車保険お役立ち情報」編集部

自動車保険に関するさまざまな業務を行ってきたプロフェッショナルが在籍する編集部です。自動車保険に関する基礎知識やもしもの時の対処法などを専門的な視点から幅広くご紹介します。

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