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社用車の自動車保険を経費にするには?
勘定科目や仕訳例を解説

公開日:2024年5月15日

社用車の自動車保険を経費にするには?勘定科目や仕訳例を解説

社用車にかかる費用には、ガソリン代や駐車場代、車検費用などのほか、自動車保険の保険料があります。車を保有すると自賠責保険への加入が義務付けられますが、それだけでは事故への備えとして不十分と言えます。そのため、会社は事故リスクに対する対策として、自賠責保険だけでは足りない部分を上乗せで補償する任意保険に加入するのが一般的です。
ここでは、自賠責保険や任意保険の保険料を経費で計上する際の会計処理や勘定科目について解説します。

自動車保険料は所得控除の対象外

自動車保険は保険の一種なので、「年末調整での所得控除」を思い浮かべるかもしれません。以前は自動車保険の保険料も所得控除の対象でしたが、2006年の税制改正により所得控除の対象外となっています。現在、所得控除の対象となる保険料は社会保険料、生命保険料、地震保険料です。

社用車の自動車保険料は経費計上が可能

事業で使用する車の保険料は、確定申告の際に経費(損金)として計上することができます。事業とプライベートで兼用している場合は、「家事按分」を行うことで、事業で使用した分を経費として計上できます。例えば、自動車保険の保険料が50,000円、事業とプライベートの按分率が5:5の場合、25,000円が経費として認められることになります。
家事按分について詳しくは家事按分を行って経費計上するには?をご確認ください。

自動車保険の勘定科目と仕訳方法

事業で使用している車の保険料を経費計上する際、自賠責保険と任意保険で仕訳方法が異なります。それぞれ適切に処理しましょう。ここでは普通預金から保険料を支払った仕訳例をご紹介します。

自賠責保険の勘定科目と仕訳例

自賠責保険の仕訳には、「車両費」か「損害保険料」の勘定科目で処理します。自賠責保険の契約期間は最長37ヵ月ですが、支払った年に全額を経費として計上できます。

36ヵ月契約で自賠責保険の保険料を25,000円支払った場合

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
車両費 25,000円 普通預金 25,000円

任意保険の勘定科目と仕訳例

任意保険の場合は、契約期間が1年か複数年かによって仕訳方法が異なります。契約期間が1年の場合の仕訳方法は、基本的に自賠責保険と同じです。

1年契約で任意保険の保険料を50,000円支払った場合

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
車両費 50,000円 普通預金 50,000円

3年契約で任意保険の保険料を150,000円支払った場合

契約期間が複数年の場合は「長期前払費用」として資産計上し、年度ごとに期間按分して「車両費」か「損害保険料」として仕訳します。1年目の仕訳は以下となります。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
車両費 50,000円 普通預金 150,000円
長期前払費用 100,000円

次年度以降は「長期前払費用」として計上した100,000円の中から、1年分にあたる保険料50,000円をその期の「車両費」として計上していきます。

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
車両費 50,000円 長期前払費用 50,000円

家事按分を行って経費計上するには?

事業とプライベートで兼用している車の自動車保険料は、事業用に使用している部分のみを経費として計上できます。この場合、自動車保険の保険料を含めた車に関わるすべての費用に関して、事業使用なのかプライベート使用なのか明確に区分する必要があります。区分けする基準は特にありませんが、合理的で客観的に説明できる方法で算出しなければなりません。車関連の場合は、「走行距離」「使用時間」「使用日数」のいずれかで按分するのが一般的です。

走行距離で計算する

「事業用の走行距離÷総走行距離」で按分比率を出すことができます。按分の基準を合理的に説明できるように日付や使用開始と使用終了の時刻、行き先、走行距離などの記録を残しておきましょう。

使用日数や使用時間で分けて計算する

平日は事業用で土・日はプライベートで使う場合や、毎日一定の時間帯を事業用とする場合、使用日数や使用時間による按分計算が認められています。この場合も按分の基準を合理的に説明できるようにきちんと記録を残しておきましょう。

自動車保険で保険金を受け取る場合の会計処理は?

事故などで加入している自動車保険から保険金を受け取る場合は、会社の収益となるため適切に会計処理する必要があります。勘定科目を「雑収入」として仕訳しましょう。

車両保険金200,000円を受け取った場合

借方勘定科目 借方金額 貸方勘定科目 貸方金額
普通預金 200,000円 雑収入 200,000円

保険料をはじめ、社用車に関する費用を正しく会計処理しよう

社用車の自動車保険の保険料は自賠責保険、任意保険とも、会社の経費にして税負担の軽減が図れます。仕訳には一般的に、車に関する費用として「車両費」あるいは「損害保険料」の勘定科目が用いられます。自家用車を事業用に用いる場合は、按分計算により経費計上できます。自動車保険以外にも、ガソリン代や駐車場代、車検代などを支払った場合も、事業用に使用した割合に応じて経費として計上できます。社用車に関する出費は正しく会計処理をしましょう。

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