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リスク管理の基本方針

1. リスク管理の基本方針

規制緩和の進展、技術革新に伴い、損害保険会社を取り巻くリスクは増加し、多様化・複雑化しています。これらのリスクは、単に極小化すればよいというものではなく、企業価値を増大させるためには、それぞれのリスクの特性に応じて適切にコントロールしていく必要があります。
当社では、リスク管理を経営上の最重要課題のひとつと位置づけ、リスクとリターンのバランスに対して注意深く考察し、リスクからもたらされる不利益を適切に最小化しつつ、事業活動から得られるリターンを最大化していくことをリスク管理の基本方針としています。

2. リスク管理の高度化

EEA(欧州経済領域)では2016年1月に経済価値ベースの保険監督制度であるソルベンシーIIが導入されています。当社では、エコノミック・キャピタル・モデルとしてAXAグループのソルベンシーII内部モデル(以下、「内部モデル」といいます)を活用しリスク管理の高度化を推進しています。具体的には、経営判断を要するリスクアペタイトや投資計画、新商品開発等を設定・評価する際に利用しています。内部モデルのリスク計測としては、保険引受リスク、資産運用リスク、オペレーショナルリスクを計量化したSTEC(Short Term Economic Capital)を使用しています。内部モデルの自己資本としては、市場整合的手法で評価されたAFR(Available Financial Resources)を使用し、リスクと資本のコントロールを行っています。
伝統的なリスク管理フレームワークに加えて、自然災害・気候変動、地政学、社会変革、技術革新等の不確実性を伴う、新規あるいは継続的に進化するリスクをエマージングリスクと捉え、中・長期的な経営判断をサポートする取組みも行っています。

3. リスク管理体制

当社では、損害保険事業の業務遂行に伴う主要なリスクを「保険引受リスク」、「資産運用リスク」、「オペレーショナルリスク」と認識し、各リスクについて、①各担当部門による管理、②リスク管理部門による管理、③監査部門による内部監査という三重の管理体制をとることで、各リスクに対する管理体制の強化を図っています。リスク&コンプライアンスコミッティ、関連各コミッティおよびサブコミッティで審議された各リスクの管理状況は、経営会議および取締役会にて報告・確認され、経営レベルでの管理を行っています。
なお、通常の予想を超える金融市場の変動や損害率の上昇などの事象が同時に発生したシナリオでシミュレーション(ストレステスト)を行い、会社経営の健全性確認に活用しています。

4. 保険引受リスク管理

保険引受リスクは、経済情勢や保険事故の発生率などが保険料設定時の予測に反して変動することにより、保険会社が損失を被るリスクです。当社では、リスク分析に基づいた引受基準を策定するとともに収支の分析や検証を継続的に行い、必要に応じて引受基準、保険商品、保険料の改定などを行っています。また、リスクに応じて保有限度額を設けるとともに、再保険の手配などの危険分散を行うことにより、過度なリスク集中を回避しています。なお、再保険取引先は信用度を十分考慮して選定しています。
プロダクト&プライシングコミッティでは保険商品、引受条件、損害率、責任準備金や保有・再保険などについて分析・検討してリスク管理を行っています。同コミッティで審議されたリスク管理状況は、リスク&コンプライアンスコミッティにて報告・審議されています。

5. 資産運用リスク管理

資産運用リスクは、市場変動により有価証券の資産価値が変動する市場リスク、投資先の財務や経営状態の悪化などにより債券価格が下落するなどの信用リスク、および資金の確保のために通常よりも不利な価格での取引を余儀なくされるなどの流動性リスクなどに分類されます。
当社では、社内諸規定に従って安全性・流動性に十分配慮した資産運用を行っています。また、資産運用の企画・実行部門と、事務処理・決済・リスク管理部門を分離し、相互牽制を働かせています。資産運用リスク管理状況はリスク管理本部よりインベストメント&ALMコミッティ、およびリスク&コンプライアンスコミッティにて報告・審議されています。

6. オペレーショナルリスク管理

オペレーショナルリスクとは、内生・外生両方の事象に起因し、プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないことによる損失に係るリスクをいいます。
当社では、定期的に全部門でオペレーショナルリスクの自己評価を実施して、リスクを特定・評価し、必要に応じて改善策を講じています。これらにより、リスクの削減・インシデントの未然防止に努めています。
また、インシデントが発生した場合には速やかに報告されるプロセスを構築しており、リスク&コンプライアンスコミッティおよびオペレーショナルリスクサブコミッティでは、報告された個々のインシデントの原因・回復措置・再発防止策の分析・検証、およびこれらの進捗管理を行っています。

7. 健全な保険数理に基づく責任準備金の確認についての合理性および妥当性

第三分野保険に係る責任準備金の積立の適切性を確保するための考え方

第三分野保険に係る責任準備金の積立の適切性を確保するために「ストレステスト」「負債十分性テスト」を行い、その結果を保険計理人が確認しています。ストレステストの結果、責任準備金の基礎とした事故発生率では通常の予測を超える範囲でリスクをカバーしていない場合には、責任準備金(危険準備金Ⅳ)を追加して積み立てます。さらに、責任準備金の基礎とした事故発生率では通常の予測の範囲でリスクをカバーしていない場合に、負債十分性テストを行い、責任準備金に不足が認められたときには、責任準備金(保険料積立金)を追加して積み立てることにより、適切な責任準備金の積立水準を確保することとしています。

ストレステストにおける事故発生率の設定水準

ストレステストにおける事故発生率は、平成10年大蔵省告示第231号の規定に従い、将来10年間に事故発生率が変動することによる保険金の増加を99%の確率でカバーする水準としています。

ストレステストの結果

ストレステストの結果、責任準備金の基礎とした事故発生率が通常の予測を超える範囲でリスクをカバーしていることを確認できたため、追加の責任準備金の積立は行っていません。