2021/03/18

犬が甘噛みをする理由は?直すための環境作りとトレーニング方法

2021/03/18

犬が甘噛みをする理由は?直すための環境作りとトレーニング方法

 愛犬の甘噛みは「直らない」と諦めていませんか?噛み癖を直すため、しつけなどの対策を取らないと、思わぬ事故の原因にもなりかねません。甘噛みが悪い癖になってしまう前に、原因を理解して早めに対応しましょう。甘噛みの直し方に加え、おもちゃやスプレーの活用法等をご紹介します。

犬の「甘噛み」とは?

 犬が人や物に対して、じゃれるように軽く噛みつくことを「甘噛み」と言います。子犬の頃に多く見られ、人の手や足、家具、スリッパなどに噛みつきます。

「甘噛み」と「本気噛み」の違い

 様々な理由で、犬自身が本気で噛む場合、手加減なくガブリと食らいつきます。甘噛みの場合は攻撃の意図はなく、多くの場合は力加減をしています。しかし、遊びからエスカレートしていくうちに、力加減が分からなくなっていってしまうことも少なくありません。
 成犬になっても噛み癖が抜けない場合は、単なる癖だけとは言い切れず、何か不安や恐怖を抱えている可能性も考えられます。飼い主さんだけでは対応が難しいこともありますので、ドッグトレーナーや獣医師などのプロに相談するようにしましょう。

可愛らしい子犬の甘噛みは許してしまいそうになりますが、将来的な噛み癖につながる恐れもあるため、「噛んじゃダメ」と教えてあげましょう。

可愛らしい子犬の甘噛みは許してしまいそうになりますが、将来的な噛み癖につながる恐れもあるため、「噛んじゃダメ」と教えてあげましょう。

犬が甘噛みをする理由

 犬が甘噛みをする理由はいくつか考えられます。特に生後7〜8ヶ月までの子犬は噛みつき欲求が強いうえ、歯の生え替わり時期が重なるため、しつこく甘噛みをしたがります。

元来犬に備わっている「噛みつき欲求」

 犬はもともと噛む欲求が強く、犬同士でも遊びの一環として噛み合いをすることがあります。
 また、動くものを追いかける習性から、人の手やスリッパ、洋服の裾など、ひらひら動くモノは犬にとって魅力的に映り、つい遊びたくなって噛みついてしまいます。特に、「噛むことが仕事」のひとつだった狩猟犬や牧羊犬は、どんなに可愛い小型犬であっても噛みつく習性がしっかり備わっています。

甘えている、遊びたがっている

 遊んで欲しいという欲求や飼い主さんに甘える心理、構って欲しいという気持ちの表現として甘噛みをしている場合があります。

歯の生え替わりタイミングでむず痒い

 乳歯が永久歯に生えかわるタイミングでは歯の付け根などがむず痒くなったり、口の中に違和感があるため、人の手や家具など手近なものを噛んでしまうことがあります。

特に木製の家具を噛みたがることが多いため、大切な家具には噛まれる前にカバーをかけるなどの対策が必要です。

特に木製の家具を噛みたがることが多いため、大切な家具には噛まれる前にカバーをかけるなどの対策が必要です。

なぜ、犬の甘噛みは直した方が良いのか?

 たとえ痛くなくても、甘噛みの段階から「人や物を噛んではいけない」ことを教え、噛まないようにトレーニングを始めたほうがいいでしょう。
 犬の甘噛みは、甘えの表現であったり、口の中の違和感のせいであったりと、攻撃的な意図がないことがほとんどです。しかし、ケガをさせたり、物を壊してしまうなどの、事故に繋がってしまう可能性もあります。
 犬にとって、何かを「噛む」行為はごく自然な習性ですが、犬と人が共に暮らしていくためには、「人や物を噛んではいけない」と、きちんと教える必要があります。
 「噛んではいけない」ことを学ぶ機会がなかったり、逆に「怖い物から身を守るために噛む」ことを繰り返し学習してしまうと、成犬になっても噛み癖が残ったり、噛みつき事故などを引き起こす恐れがあります。

甘噛みを「癖にしない」方法

 甘噛みをやめさせるポイントは、犬に「噛むと損だな、つまらないな」と学習させることです。飼い主さんが大騒ぎすると愛犬も興奮してエスカレートする可能性があるため、冷静に振る舞うように努めましょう。

甘噛みをされた時の対応・しつけ方

1. 「痛い」と言ってから離れ、別の部屋に行きます。このとき騒いだり走らないようにしましょう。飼い主さんが騒ぐと、愛犬は「遊んでくれるんだ!」と勘違いするかもしれません。

2. 1〜2分して愛犬がいる部屋に戻ります。イタズラをせずにおとなしく待っていた場合は、たくさん褒めておやつをあげたり、お気に入りのおもちゃで一緒に遊んであげましょう。

 この対応によって、「噛むと大好きな飼い主さんがいなくなってしまう」「噛まずにおとなしくしていると、良いことがある」と少しずつ学習していきます。

体罰は絶対ダメ

 どんなに甘噛みを直したくても、体罰は絶対にいけません。殴る、蹴るはもちろん、押さえつけて動けなくしたり、口元を強くつかんだりすることも避けましょう。犬に強い恐怖とストレスがかかると、威嚇するようになったり、より噛む頻度が高くなるなど悪化する可能性が高まります。何より飼い主さんとの信頼関係が損なわれてしまいます。

 基本的なしつけに関しては、「大切な愛犬のしつけ。トイレ、散歩などのしつけを学ぼう。」も合わせてご覧ください。

甘噛みを「させない」環境作り

 犬は学習能力が高く、経験から学習して行動が強化されていきます。そのため、「癖づけたくないこと」は、先回りして経験させないことが大切です。
 予防対策のポイントは大きく3つに分けられます。「噛めない環境」を作ること、犬の「噛みつき欲求」を満たすこと、「噛む前に止める」ことです。

「噛めない環境」を作る

・噛みつき防止スプレーを利用する
 手の甲やスリッパ、家具などに噛みつき防止スプレーを吹きつけます。苦い成分が含まれているため、味を嫌がって噛まなくなっていきます。

・興味の対象が愛犬の目に入らないようにする
 ひらひら揺れるタオルなどの愛犬がつい噛みたくなりそうなものや、すでによく噛まれているものは遠ざけておきましょう。また、愛犬がいつも噛みついてしまうお気に入りのスリッパやクッションなどは、他のものに変えることで噛まなくなることがあります。

・ケージやサークル、柵、家具カバーを活用する
 愛犬が「遊び足りない」と感じていても、飼い主さんは家事などで遊んであげられないというケースもあるでしょう。この場合は、一旦ケージやサークルの中等で過ごしてもらい、別に遊ぶ時間を作るようにしましょう。掃除中の飼い主さんについて回って足を噛むなどの体験をさせないことが大事です。
 また、机などの隠せない・収納しにくい家具の場合は、脚にカバーをかけたり、家具のある部屋に入れないように柵を設置するなどの工夫をしましょう。

ケージの中でリラックスできるように普段からトレーニングをしておきましょう。

ケージの中でリラックスできるように普段からトレーニングをしておきましょう。

「噛みつき欲求」を満足させる

 噛みたい気持ちや構って欲しい気持ちを満足させるために、噛んでもいいおもちゃを活用します。特に、歯の生えかわり時期はむず痒さを感じていることがありますので、しっかり噛めるおもちゃを準備しておきましょう。
 愛犬が自分だけで遊べるおもちゃと、ロープ型のものなどの飼い主さんと一緒に引っ張って遊べるおもちゃがあると、バリエーションも増えて飽きにくくなります。
 おもちゃにあまり興味を示さない場合は、中にフードを詰められるタイプがオススメです。愛犬にとって、人の手や家具よりも魅力的なおもちゃがあれば、興味の対象が移り、徐々に他のおもちゃでも遊ぶようになっていきます。

・一緒におもちゃで遊ぶ手順
 まず、遊ぶ前に「オスワリ」などで愛犬を落ち着かせ、「スタート」や「OK」などの開始のかけ声で遊び始めます。興奮して飼い主さんの手を噛みそうになったら一時中断し、愛犬が落ち着いてから再開しましょう。
 ある程度遊んだら、愛犬が飽きる前に飼い主さんの判断で切り上げるのがポイントです。「もっと遊びたかった」という気持ちが残り、おもちゃへの興味が持続します。
 遊びを終えるときは、「おしまい」「ちょうだい」等の合図を決めて、おもちゃを離すように教えます。おもちゃを離してくれないときは、おやつを使って教えましょう。おやつを見た愛犬が口を開けると、おもちゃが落ちるので、その瞬間に「ちょうだい」と声をかけます。おもちゃを受け取ったら褒めておやつをあげます。
 これを繰り返すことで、愛犬は「おもちゃを離すといいコトがある」と学習し、「ちょうだい」と言うだけで離すようになります。

参考:
西川文二監修(2013年)『いっしょにハッピー 子犬の育て方・しつけ』新星出版社
戸田美由紀監修(2012年)『ほめていいコに!犬のしつけ&ハッピートレーニング』西東社

毎日思いっきり遊ぶ時間を作ると、飼い主さんへの愛情や信頼感が一層高まります。

毎日思いっきり遊ぶ時間を作ると、飼い主さんへの愛情や信頼感が一層高まります。

犬が甘噛みをする前に止める

 愛犬が興奮してきて「甘噛みしそうだな」と感じたら、「フセ」や「オスワリ」など愛犬が簡単に出来ることを指示して気をそらし、落ちつくのを待ちましょう。また、手を噛まれそうになったら引っ込める、離れるなど、できるだけ噛ませないように対応しましょう。愛犬が「噛みつく機会」を減らし、経験を蓄積させないようにコントロールすることが重要です。

ケガや病気の可能性

 「いつも通り撫でただけなのに噛まれた」「身体の一定の部位に触れると噛まれる」という場合は、痛みや違和感等の異常がある可能性があります。ケガや病気の可能性も考えられるため、獣医師に相談することをお勧めします。

愛犬のためにも甘噛みをやめるトレーニングは必須

 「甘噛み」は、もともと犬に備わっている欲求であり、攻撃の意図や悪気はありません。また、「顎を強くする」「脳を刺激する」「歯の生え替わりを助ける」など犬の成長を支える側面もあります。
 しかし、人と犬が共に快適に暮らしていくためには、見境なく噛みつく癖をつけるわけにはいきません。
 犬による咬傷事故は毎年数千件単位で起こっており、ここ約10年は年間4000件台で推移しています。また、噛み癖がついてしまって、噛むたびに怒られるようになると犬にストレスがかかって癖がエスカレートしたり、飼い主さんとの関係が悪化したりする恐れもあります。
 飼い主さんの責任は言うに及ばず、犬が幸せに生きていくためにも、子犬の頃から、噛み癖がつかないようトレーニングすることが大切です。

出典:
環境省自然環境局/動物愛護管理行政事務提要(令和元年度版)「動物による事故 (1)犬による咬傷事故件数(全国計:昭和49年度~平成30年度)」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/r01_3_3_1.pdf

 咬傷事故について詳しくは、「飼い犬が人を噛んだときの対処法|治療費や賠償金はどうなる?」をご覧ください。

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