2017/06/22

食事・トイレ・散歩…基本的な犬の「しつけ」を学ぼう

2017/06/22

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 初めて犬を迎える飼い主さんがまず悩むことは、食事やトイレ、散歩など日常生活の“しつけ”ではないでしょうか。
 しつけの方法は、犬の月齢や犬種などによって異なる点もありますが、基本的な考え方は共通です。まずはしつけに必要な知識を持ち、大切な犬と一緒に楽しく生活するための準備をしましょう。
 今回は、離乳を済ませた子犬に対しての、基本的なしつけについてご紹介します。

しつけをはじめる前の「準備」

 犬が家にやってきたその日から、しつけをスタートします。具体的なしつけをはじめる前に、まずは家庭内でのルールを作るところからはじめましょう。

上手にできたら、体に触りながら言葉で褒めてあげましょう。

上手にできたら、体に触りながら言葉で褒めてあげましょう。

 
■「ダメ」or「NO」?用語を統一
 まずは、犬に対する「指示語」を家族みんなで決めましょう。人によって「ダメ」「NO」と使用する言葉が異なると、犬が混乱してしまいます。
 また、言葉は簡潔に伝えましょう。たとえば、「あ〜ダメよ、ダメ、ダメ!」と繰り返すのではなく、「ダメ!」と短く一語で伝えることで、犬が理解しやすくなります。

■人によって対応を変えない
 たとえば同じイタズラをしたとき、お父さんは叱るけれど、お母さんは叱らない…のように、人によって対応を変えるのはやめましょう。おやつの量や散歩のルート、入ってはいけない場所など、家庭内での生活のルールを統一しておくことで、犬の理解がスムーズになります。

■大げさに騒がない
 犬がイタズラや粗相をしたときに、大声で騒いだり、叩いて叱るのは絶対にやめましょう。飼い主さんが騒ぐと、犬は「構ってもらえた!」と誤解してわざと同じ行動を繰り返したり、また飼い主さんを怖がって“隠れて”同じ行動をする可能性があります。
 上手にできたときは褒めて、イタズラや粗相をしたときは淡々と対応して、正しい行動を教えるようにしましょう。

犬にイタズラされたくないものは、手の届かない場所に片付けましょう。

犬にイタズラされたくないものは、手の届かない場所に片付けましょう。

■イタズラしにくい環境を作る
 イタズラされて困るものは届かないところに置く、入ってほしくない場所にはサークルを設置するなど、犬がイタズラや粗相をしにくい環境を作っておきましょう。危険なものを排除することで、家庭内での衝突や誤飲などの事故防止にもつながります。家具などに吹き付ける、苦味のある「犬の噛み癖防止用スプレー」などのグッズも市販されているので、利用するのもよいでしょう。

 犬の誤飲・誤食防止については、「犬の誤飲・誤食を防ぐために|安全に応急処置できる対処法一覧付き」もあわせてご覧ください。

 また、トイレのしつけが完璧でない場合は、玄関マットやバスマットをトイレシートだと誤解してしまう場合があります。トイレのしつけが終わるまでは、マット類は片付けておくのも一つの方法です。

トイレのしつけ

 室内で犬を飼育する場合は、トイレのしつけがとても重要になります。

トイレのしつけは焦らず、じっくりと行いましょう。

トイレのしつけは焦らず、じっくりと行いましょう。

■トイレの設置場所
 人があまり通らない、静かな場所に設置します。サークルなどでエリアを決め、はじめのうちはスペース全体にトイレシートを敷き詰めておきましょう。排泄した後はすべてのシートを交換するのではなく、1枚だけ臭いの付いているシートを残しておくと、犬はトイレの場所を認識しやすくなります。
 トイレの場所に慣れてきたら、徐々にシートを敷く範囲を狭くし、サークルを外していきます。

■誘導のタイミング
 ソワソワしたり、床の匂いを嗅いでいたら、排泄のサインです。すぐにトイレに誘導してあげましょう。また寝起きや食事の後も排泄しやすいタイミングです。
 子犬のうちは、だいたい1〜2時間おきに排泄しますので、サインが出ていなくても定期的にトイレに連れていき、上手に排泄できたら褒めてあげましょう。

トイレを失敗したときに、キツく叱るのは逆効果です。

トイレを失敗したときに、キツく叱るのは逆効果です。

■失敗しても叱らない
 トイレ以外の場所で排泄してしまっても、叱るのはやめましょう。粗相をした場所は消臭スプレーなどを使い、臭いを残さないように掃除してください。
 以前は、粗相をした跡に犬の鼻を押し付けて叱る、という方法が広く行なわれていたようですが、排泄物の臭いを嗅ぐのは犬にとって一般的な行動であるため、しつけとしては効果がありません。
 トイレのしつけは、早ければ1ヶ月程度で完了しますが、場合によっては数ヶ月かかることもあります。もし長期間頻繁に失敗するのであれば、トイレの場所が落ち着かない、ストレスを感じている、股関節などに痛みがある、など別の原因があるかもしれません。トイレの環境を見直したり、排泄時の様子を観察したりして健康に問題がありそうなら受診を検討してみましょう。

■“マーキング”は去勢手術をすればおさまることも
 発情期になるとオス犬は、縄張りを示すためにあちこちにおしっこをする“マーキング”をします。これは去勢をすることでおさまることがありますので、獣医さんに相談してください。

食事のしつけ

 食事は、生活の基本です。欲しがるから、かわいそうだからと犬の要求通りに食事を与えていると、肥満や内臓疾患につながりますので注意しましょう。

興奮状態のまま食べ始めないよう、一度落ち着かせてから食事を与えましょう。

興奮状態のまま食べ始めないよう、一度落ち着かせてから食事を与えましょう。

■人間の食べ物は絶対に与えない
 人間が食事をしているときに犬にオネダリされると、ついかわいそうに感じて分け与えてしまう方も多いと思いますが、それは絶対にやめましょう。
 人間の食べ物はカロリーが高く、また塩分や糖分も多いため、犬の健康に良くありません。食事は、月齢にあった「総合栄養食」を適量与えるようにしてください。すぐに食べきってしまいオカワリを要求して吠えても、無視するようにしましょう。

 犬の食事の選び方・与え方については、「犬の肥満原因とダイエット法について、獣医さんに聞きました」もあわせてご覧ください。

■犬を落ち着かせてから与える
 食事を用意すると、犬は興奮して大騒ぎします。その状態のまま食べ始めるのではなく、一度「スワレ」「マテ」をさせて、犬が落ち着くのを待ってから与えるようにしましょう。
 指示通りにできたら、すぐに食事を与えます。きちんと座って待っているのに、“オアズケ”をして待たせることは、飼い主さんへの信頼を損なったり、食事に対する執着心を強めてしまうので、好ましくありません。

■食事の時間は飼い主さんの都合でOK
 食事の時間は、一定にしなくても問題ありません。毎日同じ時間に食事を与えると、犬はそれを覚えます。そうなると、もし飼い主さんの都合で同じ時間に食事を与えることができないときに、大騒ぎをする可能性もあります。
 食事を与えるのは、あくまで“主”である飼い主さんの都合に合わせましょう。

散歩のしつけ

 外にお散歩に行くのは、ワクチン接種が完了してからになります。いつからお散歩しても良いのか、獣医さんに確認してください。
 犬のワクチン接種については、「愛犬を感染症から守るための「予防接種」種類と費用」もあわせてご覧ください。

最初のうちは怖がったり、興奮したりします。まずは短時間・短距離から始めましょう。

最初のうちは怖がったり、興奮したりします。まずは短時間・短距離から始めましょう。

■首輪とリードに慣らす
 いきなり首輪やリードを付けると、犬は驚いたり嫌がったりします。まずは室内で遊んでいるときに首輪や柔らかい紐を付けるなどして、慣らしておきましょう。リードを付けて部屋の中や廊下を歩く練習をするのも効果的です。

■最初は抱っこからはじめる
 初めて家の外に出るときは緊張して歩けなくなることもありますので、飼い主さんが抱っこして、安心させてあげましょう。最初のうちは人や車通りの少ない、静かな場所を選んでください。また、暑い日の日中や寒い日の夕方なども避けるようにしましょう。
 犬が落ち着いてきたら、少しずつ歩く練習をします。最初のうちはごく短時間で構いません。徐々に歩く距離や時間を増やしましょう。

■リードを引っ張らせない
 飼い主さんと歩調を合わせて歩くのが、理想的な犬の散歩です。犬が先に行こうとしたり、反対に遅れて付いてきたりする場合は、リードを軽く引いて飼い主さんの隣を歩かせることを教えましょう。強い力でリードを引くと、犬は反射的にさらに前に行こうとするので、注意してください。
 犬が戻ってこないときは、おやつなどの“ご褒美”を与えたり、アイコンタクトで飼い主さんの方に注意を引きつけたりしましょう。飼い主さんの側をついて歩くことを「ツケ」と言います。上手に「ツケ」ができたら、しっかりと褒めてあげましょう。

■他の人や犬に吠えるのをやめさせる
 道ですれ違う人やよその犬に吠えてしまうときは、ご褒美や言葉で飼い主さんの方に注意を引きつけ、気を紛らわせましょう。怖がって動けなくなってしまった場合は、相手が通り過ぎるまで静かに待たせ、大人しくしていられたら褒めてあげます。
 また、縄張り意識が強いために他の犬に吠えていることもあります。毎日決まったコースを散歩すると、犬はその場所を自分の縄張りだと勘違いしてしまうので、日によって散歩コースを変えてみましょう。

 このほかにも、お留守番や車での外出、動物病院の受診など、さまざまな場面でしつけが必要になります。どんなときも強く叱ったりせず、時間をかけて丁寧に、一つずつ正しい行動を教えていくことが、しつけのポイントです。

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