2018/08/07

愛猫の外耳炎 原因と治療法・予防法を獣医師が解説!

2018/08/07

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 愛猫が耳をかゆがっていたり、耳を触ると痛がるような様子が見られたりしたら、外耳炎になっているのかもしれません。外耳炎とはどのような病気なのか、原因や治療法、日頃からの予防法について、獣医師の三宅先生にうかがいました。

外耳炎になる原因とは?

—外耳炎とは、どのような病気でしょうか?

 耳の穴(耳介)から鼓膜までの間を「外耳」と言います。その部分にできる炎症が外耳炎です。鼓膜から奥の疾患は、中耳炎や内耳炎と呼ばれます。

耳の穴から鼓膜までの間を「外耳」と言います。

耳の穴から鼓膜までの間を「外耳」と言います。

—猫が外耳炎になってしまう原因はなんですか?

 さまざまな原因があります。
 細菌や真菌が繁殖した場合、耳ダニなどの寄生虫がついた場合、また過敏性皮膚炎などのアレルギー症状や、植物の種などの異物が入り込んで刺激で炎症が起こる場合、あるいは外耳部分に腫瘍ができた場合、などが考えられますね。

—耳ダニは、体につくダニとは違うものですか?

 耳ダニは、体につくマダニや、カーペットの中にいるダニとは全く種類が異なります。耳の皮膚の表面に寄生して繁殖し、激しいかゆみの症状が出ます。
 野良猫など耳ダニの多い環境にいる猫と接触することで感染するため、完全室内飼育で外に出さないのであれば、あまり心配する必要はありません。

—外耳炎は、猫同士で感染しますか?

 耳ダニは感染しますが、それ以外が原因の外耳炎であれば多頭飼育環境でも感染することはありません。

—外耳炎になりやすい猫種はありますか?

 特にありませんが、スコティッシュ・フォールドなど折れ耳の猫の場合は、耳の中がチェックしにくいので、飼い主さんが異常に気づきにくいことがあります。

耳をひどくかゆがる、痛がる様子が見られたら動物病院を受診しましょう。

耳をひどくかゆがる、痛がる様子が見られたら動物病院を受診しましょう。

—猫にどのような症状が出たら、外耳炎が疑われますか?

 耳を頻繁にかゆがっていたり、頭を振ったり、耳ダレが出ていたり、臭いがしていたり、耳を触ると痛がる様子が見られたら外耳炎が疑われますので、動物病院を受診してください。
 飼い主さんが外から見ただけでは、どのような原因で外耳炎になったのか、わかりません。動物病院で検査をしてもらってから、それぞれの原因に合わせた治療を行います。

外耳炎の治療と予防

—外耳炎の治療は、どのように行われるのでしょうか?

 外耳炎になった原因によって異なりますが、抗生剤や抗真菌剤、駆虫の薬が必要になります。そのときの症状などに応じて、点耳薬で治療をするケースや、内服や注射が必要なケースもあります。
 また、治療の一環として耳道の洗浄を行いますが、あまりに炎症がひどい場合は薬で炎症が治まってから洗浄を行うこともあります。
 慢性的な外耳炎を繰り返した結果、耳道が腫れて耳の穴が塞がれた状態になってしまったら、手術が必要になることもあります。

外耳炎の治療方法は、原因によって異なります。

外耳炎の治療方法は、原因によって異なります。

—外耳炎は、慢性化しやすいのでしょうか?

 きちんと治療をすればそのようなことはありませんが、飼い主さんが「これくらい回復したから、もういいだろう」と治療を中断してしまうことは、慢性化する原因につながります。
 また、誤った耳の手入れで耳道を傷つけてしまうと、外耳炎を繰り返すことになります。

猫の耳掃除は、見える範囲を柔らかいコットンなどで拭いましょう。

猫の耳掃除は、見える範囲を柔らかいコットンなどで拭いましょう。

—正しい耳の手入れとは、どのように行うのでしょうか?

 月に1〜2回、耳の中が汚れていたら柔らかいコットンなどで指が届く範囲で軽く拭う程度にしましょう。綿棒などを使うと傷を付けてしまうかもしれないので、控えます。
 日本人は耳掃除をしすぎる人種だと言われていると聞いたことがありますので、私たちが自分たちの耳掃除をする感覚で猫の耳掃除をしてしまうと明らかにやりすぎになると思います。

—外耳炎の予防として、どのようなことをすれば良いでしょうか?

 定期的に耳の中をチェックして、ひどく汚れていたり、気になる臭いがあったらすぐに動物病院に行きましょう。
 梅雨などの湿気の多く蒸れやすい季節は、細菌や真菌が繁殖しやすくなるので、特に注意が必要です。

 耳の中に限らず、定期的に愛猫の全身状態や健康状態をチェックして、変わったことがあればすぐに獣医師に相談することが、さまざまな病気の早期発見・早期治療につながります。

三宅亜希先生
お話しいただいた先生 /
三宅 亜希 先生

日本で唯一の会員制電話どうぶつ病院「アニクリ24」院長。都内の動物病院にて小動物臨床に従事したのち現職。繊細なコミュニケーション力を生かし、小動物医療の現場で毎日寄せられている様々な相談に応じている。

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