2016/03/17

猫が吐く原因からみる病気のリスク。毛玉以外のものには注意を!

2016/03/17

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 猫には毛づくろいの際に飲み込んだ毛玉を吐く習慣があります。
 しかし、毛玉以外にも猫は嘔吐しやすい動物です。
 アクサダイレクトによると嘔吐による猫の保険金請求件数は、膀胱炎に続いて第2位。
 愛猫の嘔吐で病院を受診するケースは多いようです。

 では、猫がどんな症状で吐いていると注意したほうがいいのか? 獣医さんに聞きました。

毛玉をよく吐く猫へのケアはブラッシング

ブラッシングは、猫が毛玉をスムースに吐き出すためにも重要です

ブラッシングは、猫が毛玉をスムースに吐き出すためにも重要です

—猫は普段から毛玉を吐くので、ただ吐いただけで病院に連れていくべきか悩みます。判断の目安はあるのでしょうか?

 毛玉を吐いた後、少量の餌を与えてみてください。
 食欲があり、その後吐くことがなければ、まず問題ないと思います。しかし、少量でも食べなかったり、食べても吐いたりするようなときは受診が必要です。

—猫の種類によって毛玉を吐く回数は変わりますか?

 一番大きく関係してくるのは、毛づくろいをたくさんするかしないか、だと思います。
 同じくらいの頻度で毛づくろいをする場合は、長毛種のほうが毛玉はできやすいでしょう。
 また、毛玉をあまり吐かずに、便と一緒に排出することもあります。
 毛玉が大きくなってしまい、吐くことも便と一緒に出すこともスムースにできなくなることもあります。

猫が毛玉を吐く頻度は毛づくろいの頻度に関連します

猫が毛玉を吐く頻度は毛づくろいの頻度に関連します

—毛玉をうまく吐くことができない猫にはどういうケアが必要なのでしょうか?

 毛玉をほぐして便から出しやすくするような栄養補助食品を使うことが多いです。
 病院で処方してもらえると思うので、相談してみてください

—そうなんですね。毛玉をよく吐く猫にはどういうケアをしたらよいでしょうか?

 先ほどお話した栄養補助食品を予防的に日頃から与えることもできますし、換毛期の時期に集中して与えるという方法もあります。
 また、定期的にブラッシングをすることで余分な毛を取り除くことも効果的です。
 ストレスから過剰に毛づくろいをするタイプの猫もいますので、ストレスの原因が除去できるようであれば取り除いてあげるといいでしょう。

—ブラッシングを嫌がる猫も多いと思いますが…。

 一番よいのは子猫のときから慣れさせることですが、成猫からでも遅くはありません。
 少しでも嫌がったらすぐに止めるようにして徐々に慣らしていくといいでしょう。
 ブラッシングの際におやつなどを与えるのも効果的だと思います。

猫の胃腸炎は保険金請求第6位のメジャーな病気

—これまで猫の毛玉を吐く習慣についてうかがいましたが、病気による嘔吐についてもお聞かせください。

—例えば、胃腸炎は保険請求件数も少なくないようです。胃腸炎かどうかはどのように判断できますか?

 胃腸炎かどうかを症状だけで判断するというのは難しいかもしれませんが、食欲不振や、毛玉以外の嘔吐、下痢などが見られる場合は、なんらかの消化器疾患があることが疑われると思います。

2015年保険金支払いデータ

*2015年保険金請求の総計10,016件中、請求数が多かった1位〜10位
※当社調べ 「アクサダイレクト ねこのきもち保険」2015年保険金支払いデータより

—猫の胃腸炎はどのような原因で発症してしまうのでしょうか?

 食べ物が原因ということもあります。
 夏場、出しておいた缶詰が傷んでしまったり、ゴミ箱を漁って生ごみを食べてしまったりなどです。
 胃腸があまり強くない猫だと、餌が変わることで嘔吐や下痢が見られることもあります。

 また、感染症による胃腸炎もあります。
 特に子猫の場合はウイルス性の胃腸炎や、寄生虫による胃腸炎なども原因として考えなくてはいけません。

 あるいは薬品などを誤食してしまい、胃腸炎を起こすようなケースもあります。

—それぞれの対策はありますか?

 餌は傷まないように保管し、特に夏場は出しっぱなしにしないようにする、ゴミ箱はフタ付きのものにしていたずらできないようにする、などの対策が必要です。
 ゴミ箱への対策は異物誤飲の事故を防ぐことにもなりますので重要です。

 ウイルス性の胃腸炎に関しては、ワクチン接種により防ぐことができるものもあるため、予防が重要です。
 寄生虫によるものの場合は、便検査をすることで分かりますので、健康診断をかねて便検査を行っておくことも必要だと思います。

腎臓や肝臓の病気、腫瘍などで吐くことも

シニア猫の場合は定期検診を受け、病気の早期発見に努めましょう

シニア猫の場合は定期検診を受け、病気の早期発見に努めましょう

—胃腸炎以外にも吐いてしまう病気があると聞きましたが、どういったものが挙げられますか?

 胃腸の病気以外で嘔吐が現れる病気は、腎臓や肝臓、膵臓の病気が挙げられます。
 他には腫瘍が胃腸を圧迫することで嘔吐する場合があります。

 急性膵炎などは腹痛と激しい嘔吐が症状として見られることが多いため、症状としては気がつきやすいかもしれません。

—症状がなかなか出ず、わかりづらい病気もあるのですか?

 慢性腎臓病は少しずつ症状が現れるうえ、シニア猫に多いため、なんとなく食欲が落ちてきたな、気持ちが悪そうだな、と感じても、高齢のせいと思ってしまうことが多いです。
 また、腫瘍もある程度大きくなってからではないと症状が出ないこともあります。
 病院で定期検診を受けておくことが大切でしょう。

便秘やストレスが原因の嘔吐は病院で治療を

愛猫が便秘になっていないか、トイレのチェックも大切です

愛猫が便秘になっていないか、トイレのチェックも大切です

—便秘が原因で吐いてしまうこともあると聞きました。

 便秘が原因で食欲不振になったり、場合によっては吐くこともあります。
 1〜2日程度の軽い便秘であればさほど心配はいりませんが、何日も便がでず、直腸内が便でいっぱいの状態がつづくと、自力では排便ができなくなることもあります。
 受診して、下剤を処方してもらうこともあれば、摘便してもらうこともあります。

 便秘は猫自身が苦しいので、長期間便が出ない、嘔吐、食欲不振などの症状がある時は病院に連れて行くと良いでしょう。
 病院では整腸効果のあるサプリを処方できます。

—他にも嘔吐の原因になるものはありますか?

 環境の急激な変化などがあり、強いストレスを感じて嘔吐などの消化器症状を起こすこともあります。
 子猫を迎え入れたら先住猫が嘔吐をするようになった、というケースもあります。
 このようなときは胃腸の薬などで症状は緩和されますが、少しずつ環境に慣れていってもらうことが重要ですね。

 ストレスの原因が取り除けなくても、病院で吐き気止めを処方してもらえば嘔吐の回数は減ります。
 しかし、根本的な解決にはならないので、環境からのケアが大切です。また、子猫は特にストレスを感じやすいので、注意してあげてください。

子猫が吐いたらすぐに病院へ

いつもと様子が違って元気がない場合はすぐにお医者さんに相談を!

いつもと様子が違って元気がない場合はすぐにお医者さんに相談を!

—猫が吐くことはさほどめずらしくないので、子猫もしばらく様子をみて大丈夫ですか?

 生後数ヶ月の子猫の場合は、成猫に比べると、餌をしっかり消化吸収できないことによる低血糖、嘔吐による電解質バランスの乱れ、脱水、などが起こりやすいです。
 また、成猫よりもウイルスや寄生虫による胃腸炎に罹患する可能性も高いので、あまり様子をみずに早めに受診されたほうがいいでしょう。

 猫は吐いてしまうことが多い動物です。
 猫が吐いてもそれが平気なものなのかそうでないのかの判断は非常に難しいもの。
 すぐに異常を発見できるよう、普段から様子を観察して、いつもと様子が違う時はすぐに対処できるようにしましょう。

三宅亜希先生
お話しいただいた先生 /
三宅 亜希 先生
日本で唯一の会員制電話どうぶつ病院「アニクリ24」院長。都内の動物病院にて小動物臨床に従事したのち現職。繊細なコミュニケーション力を生かし、小動物医療の現場で毎日寄せられている様々な相談に応じている。

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