2020/01/28

保温、加湿、散歩の時間…愛犬が冬を健康に過ごすためのポイント

2020/01/28

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 寒い冬は、人間だけでなく愛犬たちも体調不良になりがちです。愛犬と楽しく健康に冬を過ごすために、注意すべきポイントをご紹介します。

冬に増える健康トラブル

 まずは、犬が冬に特に注意すべき病気について知っておきましょう。

  1. 肉球の凍傷

    凍傷は、低温が原因で血流障害が起こり、細胞が損傷・破壊を受けた状態のことです。皮膚の表面温度が0度に近づくと、血管が収縮して細胞に十分な酸素と栄養が届かなくなり、細胞組織が損傷します。
    凍傷は、心臓から遠い末端部、肉球やしっぽなどから起こります。一般的に犬の肉球は静脈と動脈が近い位置にあり体温を一定に保てるため、凍傷になりにくいと言われています。
    それでも犬種や体格、年齢によって異なるので、寒い季節に屋外に犬をつなぎっぱなしにしたり、長時間に渡って雪遊びや散歩をしたりすることは危険です。

    雪遊びをするなら、時折休憩して体を温めましょう。

    雪遊びをするなら、時折休憩して体を温めましょう。

    凍傷には重症度によってⅠ度〜Ⅲ度に分類されます。皮膚が赤くなってジンジン痛む程度のⅠ度であれば、人肌程度のぬるま湯で温めるなど、自宅でケアをすれば数日で回復します。
    黒っぽく変色したり、水ぶくれができたりするⅡ度になったら受診が必要です。Ⅲ度になってしまうと、患部が壊死し、切断しなくてはならないこともあります。

  2. 咳(呼吸器系疾患)

    冬の乾燥した冷たい空気を吸うと、呼吸器が刺激され咳が出やすくなります。心臓病や気管虚脱などの持病がある場合は、冬は特に咳が悪化しやすくなります。
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    空気が乾燥する季節は、咳が出やすくなります。

    空気が乾燥する季節は、咳が出やすくなります。

  3. 関節疾患

    寒さで血行不良になりやすい冬は、関節疾患になりやすい季節です。血行不良になると筋肉が固くなり、関節に負担がかかります。
    特にシニア犬は筋力が落ちているため、関節に痛みを生じることが多くなります。
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    筋力が落ちているシニア犬は、関節の痛みが増えます。

    筋力が落ちているシニア犬は、関節の痛みが増えます。

  4. 心臓病の悪化

    寒さで血管が収縮すると、血流に対する物理的な抵抗が強くなり、心臓に負担がかかります。心臓病の持病がある犬は、冬場は特に注意が必要です。

    急に寒い場所に移動すると、血管が収縮し心臓に負担がかかります。"

    急に寒い場所に移動すると、血管が収縮し心臓に負担がかかります。

    【関連記事】
    愛犬が心臓病と診断されたら〜心臓病の治療や生活とは〜

  5. 肥満

    外が寒いからという理由で散歩時間が短くなると、運動不足になり、その結果が肥満につながります。
    肥満は万病の元です。体が重くなると関節や心臓に負担がかかります。また、糖尿病や膵炎などの内臓疾患も肥満が大きく関係していますので、注意が必要です。

    運動量が減る冬は、肥満リスクが高くなります。

    運動量が減る冬は、肥満リスクが高くなります。

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  6. 肌の乾燥

    冬は空気が乾燥する季節。室内でもエアコンなどの暖房器具によって、より一層乾燥が強くなります。
    空気が乾燥すると、肌も乾燥します。人間も冬の肌トラブルは多いですが、犬の肌は人間の3分の1〜5分の1程度しか角質層がなく、とてもデリケートです。
    乾燥によるかゆみで引っ掻いたりすると、そこから皮膚トラブルになってしまうこともあります。
    肌の乾燥において、最も必要なのは「保湿」。動物病院で保湿剤を処方してもらったり、市販の犬用保湿スプレーなどを使用しましょう。
    ただし、人間用の保湿剤を犬に使用することはやめましょう。犬と人間では肌の性質が異なるため、肌トラブルが起こる可能性があります。

    乾燥によるかゆみで掻いたり噛んだりすると、炎症の原因になります。

    乾燥によるかゆみで掻いたり噛んだりすると、炎症の原因になります。

    【関連記事】
    犬の「フケ」は皮膚トラブルのサイン!早めの受診が大切

  7. 低温やけど

    ストーブのそばやホットカーペットの上で長時間寝そべっていると、低温やけどになる恐れがあります。
    低温やけどは、40〜50度の熱源に長時間触れることによって起こります。ひどくなると骨や筋肉までダメージを受けてしまいます。
    特にシニア犬は皮膚感覚が鈍り、重症化しやすので注意が必要です。
    低温やけどについては、「コタツ・ホットカーペット・湯たんぽ……猫の低温やけどに注意」もあわせてご覧ください。こちらは猫についての記事ですが、犬の場合も同様に注意が必要です。

    ストーブの近くに長時間いると、低温やけどの恐れがあります。

    ストーブの近くに長時間いると、低温やけどの恐れがあります。

冬を健康に過ごすためのポイント

 愛犬を冬のトラブルから守るために、以下の点に注意しましょう。

  1. 室内環境を整える

    寒いからといって、単に室温を高くすれば良い、というわけではありません。暖かい空気は上に溜まるため、人間にとっては適温でも、床に近い場所にいる犬にとってはそうでもない、という場合もあります。
    暖房器具を使用する場合は、あわせてサーキュレータなど空気を循環させる器具を使用すると良いでしょう。
    また、ストーブやこたつ、ホットカーペットなどを使用するのは、必ず飼い主さんの目が届く場所にしてください。うっかり、ストーブのそばやホットカーペットの上で眠り込んでしまうと、低温やけどの恐れがあります。犬の留守番中に、これらの暖房器具をつけっぱなしにしたことによる低温やけどの事故が多く発生しているので、注意しましょう。

    冷たい空気は下に溜まるので、犬にとっては寒い場合があります。

    冷たい空気は下に溜まるので、犬にとっては寒い場合があります。

    そして、犬のベッドがドアや窓のそばにあると、隙間風が吹き込んで寒い、という場合もあります。
    人間の目線からは気づきにくいので、愛犬の目線になって確認し、隙間を塞いだりベッドの位置を変更したりしてあげましょう。
    空気が乾燥すると、咳が出やすくなったり、肌が乾燥したりします。加湿器を使用して、湿度にも気をつけてください。
    くわしくは「寒い冬でも大丈夫!室内犬のベストな寒さ対策とは? 」をご覧ください。

  2. 散歩の準備をする

    冷え込む早朝や日没後の散歩は、犬の体に負担がかかります。できるだけ、暖かい日中に散歩に行くようにしましょう。
    暖かい室内から急に寒い屋外に出ると、血管が強く収縮して血行が悪くなります。
    まずは室内で軽く体を動かし、廊下や玄関など少し室温が低い場所で過ごして体を慣らしてから外出すると、体への負担が減らせます。

    寒がっているのであれば、防寒具を使用しましょう。

    寒がっているのであれば、防寒具を使用しましょう。

    犬に服を着せることに抵抗がある方もいますが、愛犬が寒がっているなら防寒着の着用を検討してください。
    また、冬は氷などで肉球をケガしやすいため、靴の着用も効果的です。肉球の凍傷予防にもなります。
    冬の犬の散歩についてくわしくは、「冬でも愛犬と楽しく散歩!寒さ対策のポイントとは?」をご覧ください。

  3. 様子を観察し、異常を感じたらすぐに病院へ

    寒さで免疫力が低下する冬は、人間も犬も病気にかかりやすくなります。ごく軽い症状であれば、体を温めたり、マッサージをしたりすれば改善することもあります。
    しかし、気になる咳をしている、どこかを痛がっている、ブルブル震えているなど、気になる症状が出たら、すぐに動物病院へ行きましょう。
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    7歳以上のシニア犬は、冬場は特に注意が必要です。免疫力が下がりやすい冬は感染症になりやすく、また持病が悪化しやすくなります。
    シニア犬のケアについては、「老犬(高齢犬)のケアの基本。健康診断でかかりやすい病気をチェック」もあわせてご覧ください。

 まだまだ続く寒い冬。愛犬と一緒に楽しく健康な毎日を過ごすために、愛犬の様子に注意しながら、愛犬が喜ぶ環境を作ってくださいね。

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