2020/10/15

猫の歯周病は治療費が高額!?実は危険な歯周病の原因やを治療費例をご紹介

2020/10/15

猫の歯周病は治療費が高額!?実は危険な歯周病の原因やを治療費例をご紹介

 猫は虫歯にならないと言われていますが、歯肉炎や歯周炎といった歯周病を引き起こすことがあります。歯周病は最悪の場合、死にも至る怖い病気で、その治療費は非常に高額です。猫が歯周病になる原因や、歯周病にならないための予防方法を詳しくご紹介します。

猫の歯周病

 そもそも猫の歯周病は、歯に付着している細菌が毒素を生み出すことで、歯茎、骨などに炎症が起きてしまった状態のこと。主な症状としては、口臭、出血、痛みが起こるほか、重症化すると歯が抜けてしまうこともあるので注意が必要です。

 猫を飼っていると、何らかの病気になり、治療を行うことは珍しいことではありません。時には手術が必要となってしまうこともありますが、実際に手術が必要となったケースの中でも、歯周病の割合はかなり高くなっています。

 また猫の歯周病は治療費が非常に高額となるケースもありますので、予防が何より重要になってきます。

猫の歯周病は予防が大切です。

猫の歯周病は予防が大切です。

実際にどれくらいのお金がかかるの!?

 では歯周病になると一体どれくらいの治療費がかかるのでしょう?ここでは実際にあった事例からその症状、治療内容と請求額を見ていきます。

~歯科領域内の場合~

【ケース1】 内科のみ 13,716円
 歯肉より出血。特に顔面腫れもなし。歯科領域内の治療であったため、治療費は比較的高くならなかった。抜歯等の処置もなし。

【ケース2】 歯石除去、抜歯 44,550円
 抜歯が必要なほどひどい状態ではあったが、歯と歯肉以外に病変はないと確認。

 歯科領域内で治療が完結する場合は、治療費は比較的高くならないものの、ペット保険の補償対象にならないので注意が必要です。しっかりと歯周病予防をすることで余計な出費を抑えましょう。

~歯科領域外の場合~

【ケース1】 手術 37,260円
 症状は顎骨にまで及んでいた。歯根が露出し、更に骨融解も何箇所かあり、症状としてはかなり重い状態。歯科領域を超えた症状があり、治療が大変になってしまった。

【ケース2】 抜歯、鼻炎治療など 97,200円
 鼻炎や鼻汁の症状があり、歯根膿瘍もひどくなった状態。かなり重症化したケースで、費用も高額となった。

 歯科領域外の場合かなり高額な請求があることも多いようです。歯科領域とは異なりペット保険の補償対象*にはなりますが、余計な出費となることに変わりはありませんし、何より猫につらい思いをさせてしまいます。やはり歯周病にならないようにしてあげることが一番です。

 *ペット保険の補償対象の可否については加入されている保険をご確認ください。

猫にかわいそうな思いをさせないためにも、日頃のケアを怠らずに。

猫にかわいそうな思いをさせないためにも、日頃のケアを怠らずに。

歯周病の原因

  1. 細菌の繁殖

    口内の衛生状態が悪いと、口中の食べかすを栄養源として細菌が繁殖。繁殖した細菌は歯垢となり、歯茎など周囲の組織に炎症を引き起こしてしまいます。この状態が、歯周病の初期段階である歯肉炎です。
    ウェットフードなどのやわらかく、粘着度が高いものを多く与えていたり、歯磨きを怠けてしまうと、口中に食べかすが残ってしまい、歯肉炎になりやすくなります。

  2. 免疫力の低下

    免疫力が衰えることで、通常であれば抑えることができるはずの細菌を退治できず、口内で細菌が増殖してしまいます。
    ただ、年を重ねるとどうしても免疫力は低下していきますので、高齢の猫を飼っている方は、より入念なケアをしてあげましょう。

  3. 口の中の傷

    猫が尖ったものや固いものなどをかんでしまった場合に、歯茎に傷がつくことがあります。その傷から炎症が広がってしまい、歯茎に歯肉炎が発生してしまいます。
    この場合、傷が治れば歯肉炎も治まることが大半ですが、これがきっかけで慢性化してしまわないように、普段のケアは怠らないようにしたいですね。

猫も人間も日頃の歯磨きが大事なようです。

猫も人間も日頃の歯磨きが大事なようです。

こんな症状に注意!

【注意レベル1】 歯茎の赤み
 歯茎の赤みが出て来たら、黄色信号。歯肉炎のサインです。この段階であれば、まだ軽度な方なので、しっかり治療やケアを行い、これ以上進行しないようにすることが重要です。

【注意レベル2】 口臭、出血、ドライフードを嫌がる
 このような症状が現れたら、歯肉炎が深いところまで浸食している疑いがあります。歯周炎と呼ばれる状態です。痛みが出るため、ドライフードを食べることを嫌がったり、口の周りを気にする仕草をみせたりするので、注意深く観察しましょう。

【注意レベル3】 歯がぐらぐらする、嘔吐、鼻炎
 歯周病がかなり進行してしまった状態です。歯がグラグラと不安定になり、最終的には、抜け落ちてしまうことも。鼻炎を併発することもよくあり、治療が歯科領域内で済まないことも多くなります。上記のような症状がでたら、一刻も早く動物病院へ行ってください。

注意レベル1の段階ですぐに病院に行き、歯周病が進行しないようにしましょう。

注意レベル1の段階ですぐに病院に行き、歯周病が進行しないようにしましょう。

歯周病予防のポイント

  1. まずは歯磨き

    歯周病の予防は、まず歯垢が歯に溜まらないようにすることが重要です。猫用の歯ブラシは動物病院やペットショップなどで入手可能ですので、猫を飼い始めるときには必ず用意するようにしましょう。
    歯磨きの頻度の目安は、1日1回が理想ですが、どうしても難しい場合は、最低でも3日に1回は行うようにしてください。磨き方はゴシゴシするのではなく、さっと撫でるイメージで優しく磨いてあげてください。

  2. 上の奥歯を念入りに磨く

    歯垢は特に上の奥歯にたまりやすいので、入念に磨いてあげてください。猫は2~3日で歯垢が歯石に変化してしまいます。一度歯石になってしまうと、動物病院に行かないととれないため、歯垢をためないことがポイントとなってきます。

  3. 慣れるまではガーゼを使用

    中には、歯磨きを嫌がる猫もいます。特に慣れないうちは、なかなか歯磨きをすることを受け入れてくれないことも少なくありません。
    そういった場合には、ガーゼを人差し指に巻き付けて、歯の表面をそっと磨いてあげるだけでもある程度の効果が見込めます。どうしても嫌がるようでしたら、無理に歯ブラシを使わずに、少しずつ歯磨きに慣らしていきましょう。

  4. 歯垢がたまりにくいキャットフード

    最近では歯垢の蓄積を予防するキャットフードやおやつも出ています。歯磨きと並行して、食事も工夫してみるのも一つの方法でしょう。

 猫の歯周病は、意外と見落としがちですが、重度になると猫にも飼い主さんにも負担がかかる注意が必要な病気。歯周病治療で高額な請求が…なんてことにならないよう、毎日ケアをしてあげたいですね。

運営・監修 「いぬと暮らす、ねこと暮らす。」編集部

動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。

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