2017/08/08

獣医さんが紹介する「犬の口臭がひどい」4つの原因と自宅でできるケアは?

2017/08/08

The dog opened his mouth,tooth It's very sharp teeth

 愛犬の口臭が気になったことはありませんか? そのようなとき、愛犬の体に異変がある可能性があります。
 犬は、自分が食べるものを選ぶことはできませんし、自分で歯を磨くこともできません。残念ながら、その口臭は飼い主さんが引き起こしている可能性があります。口臭が発生する原因と、そのケア方法をご紹介します。

思い当たる場合は要注意! 口臭の原因4つ

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  1. 口腔内の乾燥
  2. 犬の口の中は通常唾液で潤っていますが、口腔内の水分が不足すると唾液がねばっこく濃縮されて口臭の原因になります。水を飲む量が少なかったり、鼻炎などで鼻づまりになったりと常時口を開けている状態では、口の中が乾燥して唾液が濃縮され「生臭い」「魚臭い」といった臭いが発生します。

    健康な犬でも、暑い季節では体内の熱を下げるために、ハアハアと口を開けて呼吸をすること(開口呼吸)で口腔内がいつもより乾きやすくなります。また、開口呼吸は通常より多く体から水分が出て行くため、いつもより多めの水分補給が必要になります。夏場に口臭が気になる場合には、飲水量が足りているか、室温が適切かどうかなどをチェックしてください。

  3. 歯周病、口腔内疾患
  4. 犬の口臭原因として最も多いのは、歯周病です。歯周病は、歯肉だけが炎症を起こす歯肉炎とは違い、歯や歯の周囲にある靭帯、歯を支える骨にまで炎症が起こることがあります。犬は人に比べて、歯垢(歯周病菌と菌が産生する物質)が歯石(歯垢が石灰化したもの)に変わるスピードがとても早いです。そのため、歯石にはさらに歯垢が付きやすくなる、という悪循環が起こります。今では、3歳以上の犬の約8割が歯周病を患っているといわれています。歯周病では、歯垢や歯石から発生するにおいや炎症により生じる膿などが「腐敗臭」のような口臭を発生させる原因になる場合があります。

    また、口腔内腫瘍という症状があります。これは良性腫瘍と悪性腫瘍扁平上皮癌、悪性黒色腫、線維肉腫などに分けられますが、悪性腫瘍では口腔粘膜や歯肉のみならず、骨組織が激しく破壊されるため、歯周病同様に腐敗臭と感じられる口臭が発生する場合があります。口臭のみが現れることはまれで、大抵の場合、犬自身の口周りの痛みや違和感による食欲低下、食べこぼしなどの諸症状が先行して現れます。

  5. 内臓疾患
  6. 胃や腸といった消化器、肝臓や腎臓の不調も口臭の原因となることがあります。

    ■すっぱい臭いがある場合
    口臭にすっぱい臭いがある場合は、胃腸の不調が隠れていることがあります。特に胃炎を患っている場合、胃酸の分泌が過多になるため、嘔吐したり胃酸がこみ上げてきたりします。それが原因で胃酸由来のすっぱい臭いが口臭として感じられます。

    胃炎の原因としては、急性のものは感染症、異物、中毒などがあり、慢性のものは免疫、胆汁の逆流、別の疾患の二次的な症状などが挙げられます。また、空腹時間が長くなることで胃酸過多となって嘔吐することもあります。

    ■アンモニアのような臭いがある場合
    腎臓や肝臓が正常に働かないことで、通常は体の外に排泄される物質が体内に溜まり、独特のにおいやアンモニア臭がすることがあります。

    ■便の臭いがある場合
    口臭に便の臭いがある場合、口腔内の問題やひどい便秘などが影響していることもありますが、腸閉塞や腸のねじれなどの重篤な症状を起こしているおそれがあります。こうした症状は重積、腫瘍、異物などが原因で起こります。腸の内容物が正常に流れていかないため、便のような臭いが生じるだけではなく、便のような嘔吐物を吐くこともあります。この場合は口臭の他に、波のある強い腹痛や痛みを伴う全身の緊張感や、元気がなくぐったりしている、下痢をする(あるいは便が出ない)などの深刻な症状が伴うことがほとんどであり、生命にかかわります。

  7. ペットフードの劣化
  8. ペットフードは開封して空気に触れることで酸化していきます。ウェットタイプのものはもちろん、保存に比較的強いドライフードでも含有されている脂質が酸化して、劣化していきます。
    劣化したドライフードを食べることで、食べかすがいつもと違った口臭に感じ取れることがあります。

    腐敗したフード、酸化した脂質を含むフードは下痢や嘔吐、腹痛の原因にもなります。ペットフードを購入する際は、食べきりサイズを選ぶようにするといいでしょう。また、保管をする際はなるべく空気に触れないようにきちんと封をするようにしましょう。

毎日のケアも大切。家庭でできる犬の口臭予防・対策法を一挙ご紹介!

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 犬の口臭の原因として最も多いのは、やはり歯周病関連で、歯石になる前に歯垢を取り除くことが大切です。
 歯周病は前述の通り、口腔内の歯周病菌の増殖に関連した感染症と捉えることができます。口臭を取り除く・予防するには、口腔内環境をキレイに整えることが必要だと考えられます。

  1. 歯周病由来の口臭ケア
  2. ■病院での歯石除去
    まず、すでに沈着してしまった歯石については動物病院での徹底的な歯磨き(スケーリング)が必要です。歯石は歯の表面だけでなく歯周ポケットにも入りこんでいるため、しっかりと専用の器具を使って取り除かなくてはいけません。
    なお、歯周ポケットまで掃除をするには、全身麻酔が必要となります。麻酔リスクが心配される場合に、麻酔をせずに行うハンドスケーリングもありますが、歯の表面の歯石を一部取るのみに留まることがほとんどであるため、歯周病の治療にはなりません。

    ■自宅での歯磨きを習慣化
    食べかすを口の中に残して歯垢が溜まり歯石のできる原因にならないように歯磨きの習慣をつけましょう。最も効果的なのは、歯ブラシを使ったブラッシングです。歯ブラシの上手な使い方については動物病院で開催されている歯磨き教室などに行くと、実践的に教えてもらうことができます。

    ■歯ブラシ以外の家庭でのケア
    ブラッシングは子犬の時から習慣づけることが重要です。なかなか奥歯までしっかり磨かせてくれないことの方が多いかもしれませんが、その場合には前歯を中心にできる範囲でブラッシングや歯磨きシートを使って歯垢を拭きとるだけで構いません。
    触るのが難しい奥歯は、歯磨きガムを与えたり、ロープやタオルのおもちゃなどを噛ませて引っ張りっこをして遊んだりするなど、噛む刺激、摩擦の刺激で歯垢を落とす工夫をしつつ、ご褒美などを使いながら少しずつ歯磨きに慣らしていきましょう。

  3. ドッグフードやサプリメントでのケア
  4. ドッグフードは、ウェットタイプよりもドライタイプの方が歯垢のもとになりにくいです。ドライタイプのフードでは、歯垢になりにくい大きさの粒や形状・素材などが工夫されていたりなど、食べるだけで歯磨き効果の高いフードも販売されています。ぜひ、動物病院で相談してみてください。

    また、前述のように、歯周病は歯周病菌の増殖による「感染症」です。この観点から、口腔内細菌は善玉菌を増やして歯周病菌を減らすようにバランスをとることで、歯周病の予防になり、口臭が減るとの研究があります。
    日常のデンタルケアに加えて、口腔内の善玉菌を含むサプリメントを服用することで口腔内環境をきれいに維持し、口臭のもとの予防が可能です。歯周病菌は、口腔内から血流に入って心臓や腎臓、肝臓といった重要な器官での疾患の原因になるとも言われているため、これらの疾患の予防も期待できます。

    他にも、食品由来成分により歯垢を除去し、口臭を予防できるとされるデンタルケアのサプリメントもあります。動物病院によって取り扱いが異なるため、かかりつけの病院に問い合わせをしてみましょう。

  5. 内臓疾患が疑われる場合のケア
  6. 内臓疾患が原因で生じている口臭の場合、疾患に対しての治療が原則です。特に、前述のような嘔吐・腹痛・下痢などの症状を伴う口臭に気付いた場合には、ただちに動物病院を受診して獣医さんの診察を受けてください。
    また、特に健康面で問題のない犬でも、脱水に伴う口の渇きからいつもと違う口臭を感じられることがあります。夏場の暑い時期は熱中症になりやすいため、常に水をたっぷり飲めるようにしておくとよいでしょう。

まとめ

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 大切に可愛がっているワンちゃんでも、口臭が気になるとスキンシップもためらってしまうなど、普段の生活に支障が出てしまいます。
 まず口臭が気になる場合には、「いつからか」「口臭のタイプは生臭い(唾液臭い)・腐敗臭・すっぱい臭い・便の臭いのどれか」「その他にいつもと変わった様子や症状があるか」を確認してみて、先述の項目と照らし合わせてみてください。また、可能であればお口の中の状況(粘膜の潤いはどうか、歯石がないかどうか)をチェックしてみましょう。

 突然起こる口臭については、脱水や口渇の可能性があります。その他の症状については、長引く鼻づまりがないかどうか、顔面に腫れがないか、食事の時に食べこぼしや固い食べ物を嫌う様子がないかどうかを確認しましょう。これらは、動物病院を受診するときに大切な情報になります。
 最も多い歯周病による口臭ですが、口の中の悪い細菌は人にとっても不潔なものであり、歯周病菌が他の疾患の原因になることもあります。デンタルケアは常日頃のこまめなケアが大切です。

 ワンちゃんに、口周りを触らせてくれるようトレーニングしておくことで、口の中のトラブルにも気付きやすくなりますので、毎日のスキンシップを兼ねて、楽しくケアをしていけば飼い主さんもワンちゃんも幸せに暮らしていける事でしょう。

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