2016/12/29

獣医さん直伝!痛くない・嫌がらない愛犬の爪切り

2016/12/29

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 愛犬の爪のお手入れ、上手にできていますか?
 猫のように爪研ぎをしない犬は、どのように爪のお手入れをすれば良いのでしょうか?
 獣医師の三宅先生に、犬の爪切りをする際のポイントについてうかがいました。

犬の爪切りはどうして必要なの?

—犬の爪と猫の爪は、同じようにお手入れをすべきでしょうか?

 まず、犬の爪と猫の爪は、構造が違います。
 猫は、爪を研ぐことで古い爪がサヤを取るように、スポッと抜けます。だから爪研ぎをしていれば、爪が伸びすぎてしまう心配はありません。

犬の爪は、外で遊んだり散歩をしているうちに徐々に削れてきます。

犬の爪は、外で遊んだり散歩をしているうちに徐々に削れてきます。

 一方犬の爪は、人間の爪のようにどんどん伸びていくので、定期的に爪を切る必要があります。
 散歩の際に爪が削れるため、よく歩く犬とそうではない犬では、爪を切る頻度が変わってくることがあります。
 しかし、全ての爪が均等に削れるわけではないので、「うちの犬はよく散歩に行っているから大丈夫」と思わずに、定期的に爪のチェックをしてあげてください。

 加えて、地面に接していない五本目の爪「狼爪(ろうそう)」は普段の生活で削れることがないので、切ってあげる必要があります。

狼爪の爪切りも忘れずに!

狼爪の爪切りも忘れずに!

 ※狼爪:いわゆる「犬の親指」で、狼であったときの名残であると言われています。生まれた直後に切除されていることもあれば、狼爪が2本ある犬種もいます。

 猫の爪切りについては、「獣医さん直伝!愛猫の爪切りは「ちょい切りルール」で簡単に!」も併せてご覧ください。

—猫のように、犬にも「爪研ぎ」を用意した方が良いのでしょうか?

 爪を研ぐという行為はしないので、必要ないでしょう。よく犬がソファやクッションを引っかくような素振りを見せますが、爪を研ぎたいわけではなく、土を掘りたくて行っていると考えられます。

—犬の爪を切らないと、どのような影響がありますか?

 爪が伸びたことが原因で、肉球が地面にしっかり接地しづらくなります。それが原因でスムーズな歩行ができなくなったり、滑ったり転んだりする危険が増えてしまいます。
 また、伸びた爪が引っかかり、根元から折れてしまうこともあります。
 さらに、爪は弧を描くように伸びるため、徐々に巻いていきそのまま肉球に刺さるケースもあります。

爪が伸びすぎると走りにくくなり、足に悪影響を与えます。

爪が伸びすぎると走りにくくなり、足に悪影響を与えます。

獣医さん直伝!自宅で爪切りをするコツ

—犬の爪切りは、どれくらいのペースで行うのが良いでしょうか?

 月に1回くらいで良いと思いますが、先ほどもお話したように、よく歩く犬とそうではない犬などで伸び方は変わってきます。

—適切な爪の長さの「目安」はありますか?

 四肢で立った際に、爪の先が床に付かない程度が理想的です。
 フローリングを歩く時に、“カシャカシャ”鳴るようであれば、伸びすぎかもしれません。

爪を挟んで切る「ギロチンタイプ」がオススメです。

爪を挟んで切る「ギロチンタイプ」がオススメです。

—自宅で爪を切る際は、何を用意すれば良いでしょうか?

 爪切りは、ハサミタイプのものよりも、ギロチンタイプのもののほうが扱いやすいと思います。
 また、爪を切りすぎて出血させてしまったときに備えて、止血剤を用意しておくと安心です。ペットショップやトリミングショップで取り扱っていることが多いです。

—切り方のコツはありますか?

 猫の場合は先端の細い部分を切り落とせばよいので一回切ればいいのですが、犬の爪は根元から先まで同じ太さの円柱状なので、1回でバチンと切るよりも、角を取るように角度を変えながら少しずつ切るほうがおすすめです。
 野菜の「面取り」をするイメージでおこなってもらうと、爪先が丸く仕上がり、爪があたった時にも痛くなくていいですよ。

角を取るように、少しずつ切るのがコツです。

角を取るように、少しずつ切るのがコツです。

—切りすぎないためには、どうしたら良いでしょうか?

 横から見ると血管が透けて見えるので、血管の数ミリ手前まで切るようにすると安全です。爪が黒い場合は、切断面が白から透明っぽい色に変わるタイミングでやめておくといいでしょう。
 切りすぎると出血しますし、なにより犬が痛がりますので十分注意しましょう。

—血が出てしまったら、動物病院に行ったほうが良いですか?

 出血部位に清潔なコットンなどをあてて、1〜2分圧迫していれば通常は止まります。止血剤を使用すると、もっと早く血を止めることができます。

 爪が伸びると、中の血管と神経も伸びます。そのため、しばらく爪切りをせずにかなり伸びた状態から、こまめに爪を切っていた頃と同じ長さまで切ろうとすると、中の血管や神経を傷つけてしまうため出血してしまうでしょう。
 そのようなときは、動物病院に相談することをおすすめします。

—犬が怖がらない方法を教えてください

 犬を四肢で立たせ、爪切りをしたい肢を軽く後ろに曲げるようにして持って行うと、爪を切っている様子が犬から見えないため、あまり気にせずにいてくれることが多いです。肢を持ち上げすぎたり、敏感な肢先を強く握ったりしないようにします。

 床で爪切りを行うよりは、テーブルなどの上に載せたほうが切りやすいですが、落下事故には十分気をつけましょう。

 二人で行う場合は、一人にご褒美のおやつを与えてもらったり、軽く体を支えてもらったりするといいでしょう。抱いているほうが大人しいという場合ではもちろん一人に抱いてもらって行っても良いです。

 痛い思いや嫌な思いをすると爪切りを嫌いになってしまい、今後爪を切るたびに犬も飼い主さんも大変な思いをすることになってしまうので、無理をさせず丁寧に行いましょう。

自宅での爪切りが難しい場合は、動物病院やサロンへ!

犬の爪切りは、動物病院やトリミングサロンでもできます。

犬の爪切りは、動物病院やトリミングサロンでもできます。

—体が大きい犬の爪切りは、とても大変そうです。

 子犬の頃から慣らしておけば、犬の体の大きさに関わらず爪切りは行えますが、無理やり押さえられた経験や痛かった経験などをしている場合は、難しいかもしれません。

—自宅で上手に爪切りができない場合は、どうすれば良いでしょうか?

 トリミングサロンや動物病院でも、犬の爪切りができます。「爪切り程度で病院に行くなんて」と思わずに、ぜひ足を運んでください。動物病院での犬の爪切りは、決して珍しいことではありません。

 犬自身は爪が伸びすぎて歩きづらかったり、走っていて滑ってしまったりしてもそれを直接訴えることはできません。爪が伸びすぎる前に、飼い主さんが気づいてあげたいですね。

 犬の爪切りは、犬も飼い主さんも慣れてくるとスムーズにできますが、難しい場合は、気軽に動物病院にご相談ください。

三宅亜希先生
お話しいただいた先生 /
三宅 亜希 先生

日本で唯一の会員制電話どうぶつ病院「アニクリ24」院長。都内の動物病院にて小動物臨床に従事したのち現職。繊細なコミュニケーション力を生かし、小動物医療の現場で毎日寄せられている様々な相談に応じている。

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