2016/09/15

ペットを公共の乗り物に乗せるときの注意点(飛行機・バス・電車)

2016/09/15

ペットを公共の乗り物に乗せるときの注意点(飛行機・バス・電車)

 夏といえば旅行のシーズン。家族や友人と出かけたり、帰省したりと家を空けることも多くなります。そうなると不安なのがペットの問題。できれば一緒に連れていきたいけど、乗り物酔いが不安…という方も多いはず。

 過去記事「犬の車酔いを予防するには?ペットとの旅行を最大限楽しむために」でも紹介した通り、ペットとの旅行はトラブルが起きてしまうことも珍しくありません。せっかくの旅行が台無しにならないように、利用する乗り物ごとにポイントを押さえ事前の対策をしっかり練りましょう。

飛行機に乗るときのポイント

 国内線のJALとANAはそれぞれ犬や猫などのペットを搭乗させるためのサービスを行っています。受託手荷物扱いで、機内には一緒に乗ることができませんが、旅先で一緒に遊べることを考えればとても便利なサービスです。

 国際線の場合も日本の航空会社は受託手荷物扱いですが、欧米系を中心としたエアラインでは、小型犬や猫、小動物に限り機内持ち込みが可能な航空会社も。会社によって規定が異なりますので、海外旅行をお考えの方は事前のチェックを忘れずに。

犬や猫にとっては、空の旅は体への負担が大きいもの。事前準備が大切です。

犬や猫にとっては、空の旅は体への負担が大きいもの。事前準備が大切です。

~預ける場合の注意点~

  1. 健康チェック
  2. 受託手荷物として預けた場合、ペットは貨物室へと運ばれます。貨物室では照明が消されるほか、風切り音、振動などがあり、ストレスを感じるペットも多いようです。そのため、預ける前には、健康状態のチェックが必須。体調が悪いときの旅は、体に負担をかけてしまいます。

  3. 準備するもの
  4. 給水器やマット、毛布を用意してあげるとよいでしょう。可能な限りストレスのない環境をつくってあげることが重要です。

  5. 無理は禁物
  6. 持病があったり、ケージに長時間入っていられない、環境の変化が苦手な場合は、飛行機での旅は避けた方が無難です。最悪の場合、死んでしまうケースもあるので細心の注意を。難しいなと思ったら、無理はせず、陸路やお留守番をしてもらうことも検討しましょう。
    (お留守番をする時のポイントはこちらの記事から⇒「ペットホテル・ペットシッターを頼むときの料金相場と注意点」)

 また、どうしても連れていかなければいけないときは、精神安定剤を処方してもらうのも手。動物病院で相談してみましょう。

電車・バスに乗るときのポイント

~電車に乗るときの注意点~

 ペット同伴の乗車が基本的にOKとなっている電車。しかし、手回り品料金の有無や、ケージの大きさの規定などが会社によって異なっているので、旅行の前に条件を確認しておきましょう。ここでは各社の大体の目安を紹介します。

  1. 容器を含めた総重量が10kg以内であること。
  2. 1辺の長さが70センチ以内の容器に入れること。
  3. 他のお客さまに危害または迷惑をかけるおそれがないこと。
  4. 手回り品料金がある場合は280円。

 また、特に注意したい点は、乗り物酔いと乗車中のマナー。先述の飛行機にはないポイントですので、しっかりチェックしたいところです。

  1. 乗り物酔い
  2. 乗り物酔いを防ぐため、食事は乗車の2~3時間前にすませましょう。心配な時は、動物病院で薬を処方してもらうのもよい方法です。眠気などが少ない酔い止めがあるので、飲ませても旅先で元気に遊ぶことができます。ただし、人間用は絶対にNG。

  3. 乗車中のマナー
  4. キャリーバックは他の人の邪魔にならないよう、必ず足元や膝の上に置きましょう。また中身は見せないのがマナーです。乗客の中には、犬、猫が苦手な人や、アレルギーの人もいます。あくまでも公共の場ということを忘れずに。

ついつい可愛い顔を見たくなってしまいますが、ぐっと我慢。公共の場ということを忘れずに。

ついつい可愛い顔を見たくなってしまいますが、ぐっと我慢。公共の場ということを忘れずに。

~バスに乗るときの注意点~

 バスの場合も、手回り品の持ち込み扱いで、ペットとの乗車が可能。追加料金も特に設けていないところが多いようです。乗り物酔いや、マナーについても、上記の電車の注意点と同様です。

 しかし、バスの場合は、運転手さんの判断で混雑時は乗車を断られる場合もあるので、ラッシュ時は避けるのが賢明。また、やはり会社によって規定が異なっているので、乗車の前には必ず条件をチェックしましょう。ここでは各社の大体の目安を紹介します。

  1. 縦・横・高さが各々30cm以内・重さ10kg以内のもの1個。
  2. 専用ケージ、キャリーバッグ等、蓋が出来る容器に入れたうえ、体毛などの飛散を防ぐこと。
  3. 他のお客さまから姿が見えないよう、容器を布で覆うなどの対応を。
  4. 混雑時や、乗車の段階から鳴き声や臭いが他のお客さまの迷惑となる場合は、乗車を断られる場合がある。

車に乗るときのポイント

 車に対して苦手意識を持っている犬や猫は多いもの。車の室内は、独特のにおい、エンジン音、空間、揺れがあるほか、車酔いの経験があるペットはそれがトラウマになっていることも。飼い主さんにとってもペットにとっても楽しいドライブになるよう、徐々に車に慣らしていきましょう。

~犬の場合~

 犬の場合は、初めは車を嫌がっても、外出が楽しいと思ってくれれば、ドライブ好きになることも。ちょっとずつ訓練をして、ドライブを楽しみましょう。

【ステップ1】
 まずは車に慣らすため、エンジンを切った状態の車に犬を乗せてみましょう。犬が車に入ったら、ほめておやつをあげるなど楽しい体験をさせてあげてください。

【ステップ2】
 車中に慣れてきたら、近場の公園やドッグランなど、犬が喜びそうな場所に連れて行ってあげましょう。こうすることで、「車に乗のること=楽しいこと」と覚えてくれます。

【ステップ3】
 近場にもなれたら、いよいよ本番。ドライブの際は、トイレは事前にすませておくのがポイント。また、万が一に備えてペットシーツやタオル、消臭スプレーなどを用意しておきましょう。

ドライブを楽しんでもらうには、地道な訓練が大切です。

ドライブを楽しんでもらうには、地道な訓練が大切です。

~猫の場合~

 猫は犬に比べ、車への順応性は高い傾向にあります。特に物怖じしなかったり、好奇心が旺盛な猫は、訓練すればドライブ好きになる可能性も十分です。犬同様、徐々に車に慣らしてあげてくださいね。

【ステップ1】
 猫とのドライブでは迷子に注意。ドライブ時にはハーネスリードが必須です。毎日何回かリードを付けて、事前にハーネスリードに慣らしておきましょう。

【ステップ2】
 最初はエンジンをかけず車の中に慣らしてください。車に乗ることに慣れたらエンジンをかけてみましょう。車は走らさず、エンジンの音や車の揺れに慣らしていきます。

【ステップ3】
 車を走らせてみましょう。他に同乗者がいない場合は、猫をキャリーバッグに入れてください。同乗者がいる場合は、ハーネスリードを付けた猫を抱きかかえてもOK。最初はいきなりスピードを上げず、軽めに町内を一周する程度に。

【ステップ4】
 町内を一周できたら、いざ本番!徐々に遠くを目指しましょう。ただし、長距離・長時間移動する予定のときは、念のため車中に猫用のトイレを設置するのがおススメ。

意外とドライブ好きな子も多い猫。ハーネスリードを忘れずに。

意外とドライブ好きな子も多い猫。ハーネスリードを忘れずに。

~犬、猫、共通のポイント~

  1. 食事はドライブの2~3時間前までに済ませる
  2. 乗り物酔いを防ぐため、食事は早めに済ませておくのがポイント。

  3. ダニは事前に駆除
  4. ペットにダニがいる場合、車内にダニを放つことになってしまいます。事前にダニよけ薬などでダニを駆除しておきましょう。

  5. トイレ
  6. ドライブで困るのがトイレの問題。渋滞に巻き込まれたりすると、ペットにかわいそうな思いをさせてしまいます。そうならないためにも、1~2時間おきに休憩をとりましょう。また車に限らず旅行時には、市販のお出かけ用トイレを持っていくと便利です。

  7. 乗せ方を間違えると法律違反になることも
  8. ペットはしっかりとキャリーバックやドライブボックスなどに入れ、好き勝手に車内を動き回らせたり、運転者の膝に乗せたりしないようにしましょう。運転の妨げになると見なされた場合は、道路交通法違反で罰せられることもあります。

  9. 事前に動物病院をチェック
  10. 旅行中に突然ペットの具合が悪くなることもあります。宿泊先の近くの動物病院はあらかじめチェックしておきましょう。

 いかがでしたか?
 ペットとの旅行を考えている人は、いい思い出がたくさんできるよう、しっかりとポイントを押さえて、素敵な旅を楽しんでくださいね!

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運営・監修 「いぬと暮らす、ねこと暮らす。」編集部

動物病院勤務の経験がある獣医師、アクサダイレクトのペット保険業務に携わる犬好き・猫好きの在籍する編集部です。ペットとの暮らしに役立つ情報から、犬や猫に関する健康・しつけなどの大切な知識、しぐさからわかるおもしろ豆知識など、専門的な視点から幅広く情報をお届けします。

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